2020年、LInkedInが世界22カ国を対象に実施した「仕事で成功する自信」に関する調査で、
日本人女性は「成功する自信」が最下位であることがわかりました。
男女総合でも「成功する自信」の平均指標は2割も低く、日本は男女共に自信が低いそう。
この結果をどう思いますか。あなたは自分に自信がありますか。
成功する自信は「自己効力感」とも置き換えられます。
「自己効力感」の提唱者である心理学者 アルバート・バンデューラ(Albert Bandura)は
「課題に必要な行動を成功裡に行う能力の自己評価」と定義しています。
自己効力感が高ければ、高い目標を設定し新たなチャレンジにも前向きになり、困難な壁に直面しても粘り強く行動ができます。
この「自己効力感」の形成に影響する4つの要素は、
1)個人的達成:自ら成し遂げた経験(成功体験)
2)代理学習:他者の経験を観察
3)社会的説得:周囲からの励ましやサポート
4)情緒的覚醒:不安、リラックス、前向きなどの心理状態
ですが、最も影響力があるのは「個人的達成」(成功体験)とのこと。
日本の文化は、出る杭が打たれ、和を乱すものを好みません。
教育も、皆定められた同じ方向を向き、一定のペースで進むことや、身だしなみにおいても統一された髪型や服装を指定されます。
そんな中で、どんなに頑張っても周囲からの満足は感じられず、かけられるのは「頑張れ!」「もっといけ!」の言葉。
小さな成功体験を丁寧に褒めてくれる存在は周囲にどれくらいいるでしょうか。
また目立つことが許されない文化において、成長過程で恐れずチャレンジしよう!と思える人はどれだけいるでしょうか。
これでは、成功していることに本人も気が付けず、成功体験につながるチャレンジの回数も減ってしまうのではないでしょうか。
また日本は特に女性が活躍しにくい環境です。それはグローバル・ジェンダーギャップ指数からも明らかです。
「男尊女卑」というワードが 今もなお存在している時点で、この言葉の持つ価値観と文化が存在していることを投影しています。
そんな抑圧された環境下でも女性たちは忍耐強く、家庭や社会を裏で支え続けてきました。
しかし表立って社会に評価されたり、褒められたりする機会がなければ、なかなか自信をもてないのではと想像できませんか。
更に「大和撫子」というワードも未だに存在し、この女性像は男性の理想として語られることがあります。こういった日本独特の価値観も、女性が自分らしく自信を持って自立することに影響を与えているのではないでしょうか。
あなたは日々どんな言葉を自分に投げかけていますか。
自分自身に対して受容的になり、肯定的な言葉を自分にかけてあげていますか。
日本の環境下で形成された私たちの意識や思考は、自分をなかなか褒めてくれません。
ですから、意識的に自分自身のことを、祖父母が孫をみるような温もりと全てを包み込む様な優しい心で受け入れ、褒めてみてください。
「セルフ・ラブ」です。
日々の自分に対する肯定的な言葉の積み重ねが、私たち日本人女性の自信アップにつながる小さな、そして大事な一歩と考えられます。
あなたはいつも頑張っています。
周りのために矢印を外にばかり向けるのでなく、その矢印を自分に向けて、自分のことを誰よりも愛してみてください。
きっとそんな小さな積み重ねが、私たち日本女性の「成功する自信」の数値を大いに上げることになるでしょう。